《4》子どもと向き合う足浴(大人の足浴)

*この特集の第1回はこちら。

《育児中の足浴》

大人にとって『足浴』の目的は何でしょう?
足浴は様々な作用があり、野口整体でも不調や月経リズムのケアなど、身体の調整に用いられますよね。
でも、子育て中の方が足浴をする際、大切にしてほしいことがあります。
それは、「ぽかーん」とすることです。

子育ては毎日、大忙しです。ごはんの準備は…洗濯が…部屋を片付けないと…明日の予定は…。
そして子どもたちは「見て〜」「来て〜」「やりたーい」「こぼしたー」「おかあーさーん」。
子どもに向きあいたい、きちんと応えたいと思いながらも、つい「ちょっと待ってて」「あとでね」と言ってしまいがちですよね。そして夜に子どもの寝顔をみながら「ああ、今日も向き合えなかったな…」と落ち込むということも(笑)。
大丈夫。みんな同じです。

では、子どもに向きあう、子どもに応える。そのためにどうすれば良いでしょう?
その一つは、「頭を考え事でいっぱいにしないこと」です。
後悔は過去に、不安は未来にあります。でも育児は「今、この瞬間」で行われています。なぜなら子どもは過去や未来ではなく「今ここ」に生きているからです。
頭が忙しく働いていると、意識が「今、ここ」にいることができません。真面目で優しい方ほど、先のことを考え引き裂かれるような気持ちになりがちです。

だからこそ、足浴をするときは、頭の中で『やらなきゃ』と思っていることを、一旦横に置いてみてください。スマホや本もです。そして、温かさに身をゆだねて、ポカーンとしてみてください。
足が温かいな。良い香りだな。身体のこのあたりがモゾモゾするな。こういった身体の感覚に身を委ねてみるのです。
意識は未来や過去にありますが、身体は確かに「今、ここ」にあります。いつも鼓動のリズム、呼吸のリズムを刻んでくれています。本当はそれで十分なのです。

足浴は、頭から一番遠い部分を温めることで、意識も下に降り、頭をゆるめてくれます。頭でグルグル考えていたことから解放してくれます。終わった後は、頭もスッキリして、少し頑張りすぎていたかなと、いろんな意識を手放してリセットできると思いますよ。

《用意するもの》

●バケツ(または、大きめの洗面器)
●バスタオル
●お湯
●差し湯用のお湯(ヤカンやポット、ケトルなど)
●必要に応じてオイルや精油(園ではヴェレダのカレンデュラオイルを使用しています)

《足湯の方法》

1:お湯をはる。
バケツにくるぶしが浸かるくらいまでお湯をはります。お湯の温度は、足を入れて少しだけ熱いかなと思うくらいです。(いつものお風呂より少し熱いくらいが良いでしょう)

2:足湯をする。
足浴の時間は、自分が満足するまでですが、6分前後を目安としても良いでしょう。お湯が冷めてきたら、差し湯をします。熱湯でも良いですが、火傷をしないように60〜70度ほどの温度のお湯だと安心です。ポカンとして体の感覚や温度を感じてみましょう。

3:足を拭く。
終わったら、両足をよく拭きます。両足を比べて赤くなっていない足をさらに2分ほど足浴をしても良いでしょう。終了後はお水を飲んでください。

心と体をリセットして、子どもを迎える準備をしましょう。
大人がリラックスしていると、子どももリラックスします。